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2006年12月30日

[雑記]こみけ こみけ

こみけはじまってますが文月はじまってません。
なんせ年末は忙しくて、今日も仕事なのです。
でも、どうにかこうにか明日は休みにできましたので、3日目は顔を出すかも。

あ、そういえば告知してませんでしたが、この冬僕はどこの本にも寄稿してませんです、はい。

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投稿者 文月そら : 07:11 | コメント (0) | トラックバック

2006年12月29日

[雑記]京アニKanon1巻来る京アニKanon1巻来る

amazon方面から、なぜか1月1日発売のはずの京アニKanonDVD1巻が届いたので紹介しますね。

京アニKanonパッケージ

これがパッケージ。1巻は名雪ですねー。

ピクチャーレーベル

ピクチャーレーベルも名雪です。イチゴサンデー食べてますね。こりゃ今後みんな好物を食べる形になるんでしょうか。

名雪キャラクターカード

初回版なんで特典もついてましたが、これはそのうちの一つ、キャラクターカードです。アイヌ衣装でしょうか。大自然のおしおきでしょうか。

……と、ここでこのカードの裏をみてみたんですが。

みしー!

みしー!!

!!

みしー!!!

!!!

ということで是が非でも全巻そろえたくなりました!

ところで、このDVD、全8巻を予定しているそうです。
ピクチャーレーベルを各キャラ一回ずつ担当すると想定してみます。
あゆ・名雪・栞・舞・真琴の五人は確実でしょう。
あと、京アニ公式で名前の挙がっているサブキャラクターは、佐祐理さん・香里・秋子さん。そして!! あれ? ……あ。もう8人……か……。
 
 
 
orz

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投稿者 文月そら : 02:09 | コメント (2) | トラックバック

2006年12月20日

[雑記]BCGがアレルギーを防ぐ?BCGがアレルギーを防ぐ?

BCGがアレルギー防ぐ仕組みを解明 理研(asahi.com)

な、なんだt(ry
僕はスギヒノキ、ハウスダストから猫まで、わりと色々アレルギーをかかえているんで、アレルギーの話題にはつい食いついてしまうんですが……もしかして自分のアレルギー体質は、小学生の頃何度もツベルクリンをサボったせいなんだろうか……。あれ? でもBCG自体は接種してるはずなんだけど。
まあ、免疫がもう切れてるのかもしれないし、あるいはもしBCGを打ったことがなければ、もっとヒドイアレルギーに悩まされていたのかもしれない。

それはそれとして、この話、全体的に今ひとつ作用機序がわかりません。

 谷口さんらが、BCGを注射したマウスを詳しく調べたところ、体内に侵入した細菌などを攻撃する免疫細胞の一種「ナチュラルキラーT細胞」(NKT細胞)が活性化されていた。NKT細胞は、アレルギー反応に関係するIgE抗体(たんぱく質)を作るリンパ球を死なせることで、IgEがむやみに増えるのを防いでいた。人にBCGを注射しても同じ結果が得られたという。

NKTが自己由来のリンパ球を排除してしまうということ? なんかそれって怖いような。

 アレルギー疾患は特に先進国での増加が著しいと言われ、衛生環境の向上で病原菌に触れる機会が減ったこととの関連を指摘する説がある。谷口さんは「今回の成果は、この説の裏付けになるのではないか」と言う。

ここまでをおおまかにまとめると、
BCG接種→特異的IgEを無駄に大量生産し、アレルギーを誘発するリンパ球をNKTが排除するようになる→この事実が、アレルギー疾患増加の原因は衛生環境の向上によることの論拠となりうる。

という話の流れなんだけど、どうにも上のやじるし、ことごとく頭の中でつながってくれない。
どっかに続報ないかしらん。

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投稿者 文月そら : 20:45 | コメント (0) | トラックバック

2006年12月18日

[KanonSS]「黒い雨/紅い夜」「黒い雨/紅い夜」

「黒い雨/紅い夜」

 小川をはさんで、向かいに豪邸を臨む丘の上の小さな林。
 茂みに身を伏せて、美汐はじっと、時が満ちるのを待っていた。

 田舎道に不似合いなロールスロイスが、幾台も幾台も重厚な西洋屋敷の巨大な白壁に吸い込まれていったのが、かれこれ3時間前。

 ……3年前、あの子を失った痛みを、ようやく乗り越えかけた頃。彼女を迎えてくれた優しい人たちがいた。
 そんな人たちを、彼女の故郷を、ただ汚職と自らの失策の隠蔽のためだけに、火事を装って焼き尽くした連中。……奴らは、中で盛大に忘年会を開いているはずだった。
 ――時間的に見て、宴はそろそろ終わりに近づいているはず。
 ――来るべき人間は全員そろい、酒も充分に入って、油断しきっている時間帯。……ついに、待ち続けた時が到来したと、美汐は感じた。
 彼女は携行してきた大きなバッグを開くと、かちりかちりと、凶暴なシルエットを組み上げていく。

 ……忘年会? 冗談じゃない。

 美汐は砲身にロケット弾をセットすると、身を隠してくれていた茂みから一挙動で立ち上がる。

 バサバサバサッ!
 殺気を感じてか、無数のカラスが闇に沈む木々の間から飛び立ち騒いだ。
 舞い落ちる黒い羽。まるで漆黒の雨のよう。

黒い雨

「――忘れさせません」
 カチ。
 ――バズーン!!

 引き金を引くと、後頭部を思いっきり殴られたような衝撃が襲ってきた。足をかけていた背の低い木が、ばきばきと崩れ折れる。おかげで体勢が前につんのめってしまったが、別に良い。バズーカに精密射撃は必要ない。

 解き放たれたロケット弾は夜空に薄く煙を引きながら堅牢な外壁を飛び越え、屋敷をあっけなくぶち抜く。

 ズズーーーン!!

 腹の底に堪える重低音と地響き。
 崩壊は連鎖し、更に奥では火の手も上がったようだ。

 ――派手ではあるが、この程度、奴らにとっては見た目ほどのダメージはないはず。あくまでこれは最初の警告にすぎない。それより今は急いでバックアップの仲間に合流し、撤退しなくてはならない。美汐は眼を瞑ってもできるまでに馴染んだ手順をなぞり、手早くその凶暴な筒を片付けると、身を低くし、飛ぶようにその場を離れる。

 奴らの、そして彼女自身の破滅の始まりを告げる狼煙を背負って。

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投稿者 文月そら : 22:31 | コメント (5) | トラックバック

[KanonSS]あとがきというか。あとがきというか。

牛丼さんが「バズーカ・ゴスロリ美汐さん」という世にも素晴らしい絵を描いてくれたので、きゃっほうと喜んでいたんですが、牛丼さんは「コレにSSをつけれ」とおっしゃったのです。ひい。
なんともNoFutureな感じですが、美汐さんの明日はどっちだ。

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投稿者 文月そら : 22:24 | コメント (1) | トラックバック

2006年12月12日

[雑記]新手のスパム新手のスパム

さっき、新手のスパムメールが来て感動した。

件名:さつきです!メッセンジャーで話しませんか?

メル友募集してましたよね?
メッセとかも出来ますか?
どのメッセンジャー使ってるのかな?

私、ここのメッセ使っているよ。
http://hogehoge.hoge.hoge/
「さつき1983」で検索すると出てくるのが私だよ!
メッセで話してみませんか?
待ってますね!

何が恐ろしいって、文章としてはあくまで、「メッセンジャーによるメッセージの交換」にスポットが当てられており、その過程で得体の知れないアプリをインストールさせられるということを見事にぼかしているところだ。この手のメールの対策として、「入会とかしない」「添付ファイルは開かない」というあたりを注意するのはわりと一般的だと思うが、そういう警戒心を、人によってはすり抜けてしまうかもしれない。(たとえば、PCがニガテで、PC得意な人に聞いたとおりの杓子定規な対応しかできないタイプの方など)
そんなもんいれたら、キーロガー仕込もうがフィッシング詐欺仕込もうが、もうやりたい放題になるというのに。「さつき1983」というユーザー名で、さりげなく年齢をアピールしているところも巧妙である。

……あ。考えてみたら、メッセンジャーだから、外部と通信するのは当たり前なわけで。
……ユーザー自身の手で、せっかく通信をブロックしてくれたパーソナルファイアウォールとかに穴を開けてしまう可能性もあるのか……。

ヒエェ……。

こわこわ。

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投稿者 文月そら : 01:36 | コメント (4) | トラックバック

2006年12月 9日

[アニメ]観ましたよ!京アニKanon!観ましたよ!京アニKanon!

美汐さんの扱いが心配で今まで1話だけしか見てなかった京アニKanonですが、風見由大同志のチャットでのコメント「当初の不安は払拭された」に力を得、2話から10話まで一気に観ました。

感想としては……。

……よし。京アニの諸君の言いたいことはよくわかった。

DVD、全巻買おうじゃないか!

――ということで、京アニKanonのDVDは光熱費扱いで来月から毎月買うこととします。

いや、本当、正直驚きました。決して原作をそのままなぞるというわけでもない。それでいて残しておいて欲しいシーン、セリフはちゃーんと残してある。素晴らしかったです。
真琴シナリオラストの祐一のモノローグのシーンも残されていたんです。
いわゆる『すべては、報われただろうか。』あたりから『でも、おまえはいつだってあまのじゃくだったから…ちょっとだけ心配だよ、俺は。』あたりまで。

このセリフが実はとんでもなく好きだということを、今回再認識しました。

追加要素として、原作にはなかったキャラのからみが描かれているのも素晴らしかったです。中でも真琴とあゆが友達になるシーン(ことに最後に二人で小さく手を振り合うシーンが……!)とか、舞が真琴シナリオの開始と美汐さんの登場を示唆するあたりとか、心憎い演出だったと思います。
美汐さんの『ものみの丘の伝説の語り部』としての役目も、ちゃんと残されていました。というか、むしろあそこまで出てくるとは僕でも思っていなかったくらいです。それこそ「いい子そうですね」から「空からお菓子」まで。……満喫しました。

でも正直、ちょっと心配なのが、あそこまで真琴シナリオをやりきってしまうと、今後に支障を来たすんじゃないかということです。……まあ一言で言って「祐一! お前けっこんしちゃってるじゃん!」ということに尽きるんですが……。まあ、京アニさんのことだからどうにかしてくれることと思います。

しかし全キャラ攻略の祐一は忙しいですな。
朝は名雪や真琴とからみ、昼休みは舞・佐祐理さんと食事の後栞と会話。帰りはあゆ・名雪・真琴が入れかわり立ちかわり現れるわけですからね。おまけに夜は学校で舞に会い、深夜には真琴にいたずらされるという……。最盛期はほんとにそんな感じでしたからね。

ちょびっとだけ、ときメモでキャラを登場させすぎて嫉妬爆弾処理プレイになっている時を思い出しました……。

今後美汐さんが出てくる可能性は低いですが、まあ、ここまでやってくれれば文句はありません。もちろん出てきてくれれば嬉しいですけど、ね。

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投稿者 文月そら : 23:21 | コメント (3) | トラックバック

2006年12月 6日

[KanonSS]美汐さん誕生日SS「あたたかい、さがしもの」美汐さん誕生日SS「あたたかい、さがしもの」

うおお。なんとか間に合った、かな?
今回も牛丼さんの挿絵があります。読んで頂ければ幸いです。


 

「あたたかい、さがしもの」

 12月の鈍色の空から、絶え間なく白いものが舞い降りてくる。
 わたしは、傘に切り取られた空をぼんやりと見上げながら、いつもの家路を辿っていた。
 駅を抜け、わたしの住む団地へと通じる、あまり車の通らない坂道を登っていると、道端に真紅のコートを着た小さな女の子が立っているのが見えた。最初はあまり気に留めていなかったのだけど、近づくにつれて、なんとなくあった違和感がはっきりしてきた。多分、小学2、3年生ほどと見えるその女の子は、真っ赤な顔で、瞳を今にもこぼれそうな涙でいっぱいにしていたのだ。
 どうしたのだろうと見つめていると、女の子のほうもわたしに気づいた様子だった。そしてわたしの前まで歩いてきて立ち止まると、何かを訴えるように、じっとこちらを見つめてきた。
 わたしはしゃがんで、女の子の瞳に向かって問いかけた。
「どうしたの? 何か哀しいことがあった?」
 その言葉がきっかけになってしまったのだろう。ずっとこらえてきた涙が、切なげな泣き声とともに堰を切って溢れ出してしまった。
「う、うああ……うあああん……」
「――どうしたの? わたし、どうしたらいいかな」
「うああん……うあああん……」
 何度も問いかけてみたけれど、女の子は泣きながら首を振るばかりで、何も言ってくれない。
 わたしは、怖がらせないようにゆっくりと女の子の手をとった。彼女の手は思った以上に冷え切っていた。冷え性のわたしにはちょっと辛かったけれど、両手で彼女の手を包んでじっと彼女が落ち着くのを待った。手が温まるにつれて、だんだん彼女の泣き声が小さくなってきた。
「どうする? わたしの家に来る?」
 風呂や食事の算段なんかを考えながらわたしはそう提案してみた。すると女の子は泣きながら首を横に振った。
「あのね……」
 しゃくり上げ、震える声を必死で抑えながら、女の子はこう言った。
「おねえちゃんとはぐれたの。ねえ、おねえちゃんしらない?」

「ゆうちゃん」
 女の子はちょっと恥ずかしそうに自分の名前を教えてくれた。
 おねえちゃんとは、駅前の商店街にママのおつかいに出たついでに、クリスマスのプレゼントを選んでいたらしい。パパやママと一緒に来ると、プレゼントが何だかばれてしまうので、びっくりさせようという計画だったのだという。
「でもね、ゆうちゃんはおねえちゃんへのプレゼントもナイショで選びたかったの」
 そこでおねえちゃんから隠れてプレゼントを探しているうちに、はぐれてしまったようだ。
 どこを探してもおねえちゃんが見つからないので、家に帰ろうと思ったけれど、もう疲れてしまっていたし、この道が本当に正しいかどうかも自信がなくなってきてしまったしで、途方にくれていたところに、わたしが通りかかったということのようだ。
「じゃあ、とりあえず商店街に戻りましょうか」
 女の子はこっくりと頷くと、今日はじめての笑顔を見せてくれたのだった。


「アクセサリ屋さん。ゆうちゃんはママにユビワを買ったの。おねえちゃんはネックレスを買った。両方ともイルカさんがついてて、とってもかわいい」

「本屋さん。ゆうちゃんはパパにレキシの本を買ったの。大宇宙せいふくようさいに立てこもったアクのノブナガをセイギのイエヤスがひょうろうぜめでやっつける話なの。ちなみにおねえちゃんはタバコをすうと胸がまっくろになって死にますっていう本を買ってた」

「お花屋さん。ママに頼まれてクリスマスのお花をお願いしたの」

 楽しい記憶が、哀しみをいっとき忘れさせてくれたのだろう。ゆうちゃんはにこにこしながら、今日のお買い物について教えてくれた。
「そう……大丈夫。おねえちゃんにも逢えるわ。わたしに任せて」
「ほんとう!? 美汐お姉ちゃん!」

 ――その呼び名で呼ばれたのは何年ぶりだったろう。

 ちょっとした可能性を胸に、花屋さんを訪れた。ガラス戸を開けるとエプロンをつけた初老の男性が、鉢植に水をやりながら「いらっしゃい」と笑顔で迎えてくれた。

「すみません。先ほどこの子とこの子のお姉さんがここに来たと思うんですが、お分かりになりますか?」
「ああ、ついさっきだからね。良く覚えてるよ」
 おじさんはにっこり笑って、ゆうちゃんの頭をくしゃっと撫でた。
「……でしたら、クリスマス指定でこの子の家にお花を届けることになっているんじゃないかと思うんですが……伝票に住所が書いてありませんか? どうも迷子になってしまったみたいで……おうちに連れて帰ってあげたいんです」
「おや、それは大変だ。確かに、クリスマスのお届け物として注文を受けたよ。ちょっとまってね」
 おじさんは伝票の束をごそごそと漁って、ゆうちゃんの住所を探し出してくれた。

「よかったね、ゆうちゃん」
「……ほんとう!? ゆうちゃんおうちに帰れる?!」
「ええ。わたしの家の近くですから、場所は良くわかるわ。……今すぐおうちに帰る?」
 ゆうちゃんはちょっとだけ迷ったようだったが、すぐに首を横に振った。
「まだおねえちゃんのクリスマスプレゼントを買ってないの。美汐お姉ちゃん。いっしょにえらんでほしいな」
 住所と一緒に判明した電話番号で、とりあえずご家族に連絡を入れてから、わたしはゆうちゃんのお買い物に付き合うことにした。

 すっかり元気になったゆうちゃんは、デパートの隅から隅までを飛び回り、かわいらしい耳の長いブタのキャラクターがついた筆箱を選んだ。
「ほらっ。これいーでしょー? おねえちゃん。ぶたさん大好きなんだ」
「そう。きっとおねえちゃんも喜ぶわ」
 そろそろ、夜の帳が降りる頃合だ。完全に暗くなってしまう前にゆうちゃんを家まで送り届けようと、わたしはデパートを出ようとした。……ところが、ゆうちゃんが動かない。そしてこんなことを言い出した。
「美汐お姉ちゃんは?」
「え?」
「美汐お姉ちゃんはクリスマスプレゼント買わないの?」
「わたし? わたしは……特に何も……」
「えー、カレシとかにあげればいいじゃん!」
 がつん。不意に後頭部を叩かれたような気がした。眼から火が出た。
 いや、あの……。これだから最近の子は……。
「か、かれしなんていません! ……いきますよ!」
「えー。つまんないのー!」
「つまんなくっていいんです!」
 ずんずんと店の外にゆうちゃんを連れ出す。外気に冷やされる頬が妙に心地良い。……どうやら上気していたらしい。ふう。

 丁度、ゆうちゃんと出逢ったあたりの道にさしかかったところだった。
「ゆう? ……やっぱりゆうだ!! ゆううう!」
 突然掛けられた声に、ゆうちゃんはぴくりと反応した。
 声のする方では、ゆうちゃんとおそろいの真紅のコートを羽織った、小学4年生くらいの女の子が、車道の反対側から必死でこちら側に身を乗り出していた。そしてその子の手を握って、車道に飛び出さないようにこれまた必死で引き止めているのは……。
「あ、相沢さん……!」
「……よ、よお天野。奇遇だな……」

 ゆうちゃんとおねえちゃんは、しっかりと手をつないで楽しそうに囁き交し、歩いている。
 その姿を眺めながら、道すがら聞いた話では、なんでも相沢さんは相沢さんで、今日は一日、ゆうちゃんのおねえちゃんに連れまわされて大変だったらしい。
「商店街で、手当たり次第に『妹を知りませんか』って聞いて回ってる子がいるからさ、まずは交番に届けるべきだろうと言ったんだが、ぜったいすぐ見つかるから大丈夫ですって聞かなくてさ……。どうにか説得して、交番で家に連絡をとったら、もう妹さんとは連絡がとれてるらしいって話になったんだよ。それで家で待とうって話になって、あそこまで帰ってきたところだったんだ」
 いや、疲れたぞ実際。と相沢さんは苦笑する。
「天野はどうだったんだ?」
「まあ、似たようなものですが」
 瞳を閉じる。ゆうちゃんの笑顔と、手に伝わる温もりが蘇ってきた。
「わたし、楽しかったです」
「そうか」
 相沢さんも笑顔になった。
 今度は苦笑じゃなかった。

「それじゃあ、あたしたちはこのへんで」
「おにいちゃん、おねえちゃん、ありがとう」
 ゆうちゃんとおねえちゃんが、手をつないだままぺこりと頭を下げる。
「おう。もう迷子になるんじゃないぞ」
「気をつけて帰ってね」

「……その前に」
「ん?」
 ゆうちゃんとおねえちゃんはいたずらっぽい笑いを浮かべると、こう言った。

「わたしたちから、美汐おねえちゃんと祐一おにいちゃんにクリスマスプレゼントです!」
 じゃーん、という効果音付きで、手書きの便箋が突き出された。
 相沢さんが受け取って書かれた文字を読み上げる。
「ん? 『美汐お姉ちゃんに一日やさしくする券』!?」

「カノジョにもっと優しくしてあげなきゃダメだよーっ!!」
 きゃははははっ! と歓声をあげて、ゆうちゃんとおねえちゃんは、しっかりと手をつないで駆けていった。

 次第に小さくなっていく二つの赤い背中を見送りながら、相沢さんはくしゃくしゃと自分の頭をかき回しながら呟いた。
「全く最近のガキはマセてるなあ……」
 二人で苦笑。

 そして、子どもたちが去り、再び穏やかで、ちょっと寂しい日常が帰ってきた。
「帰りましょうか」
「いや」
 踏み出したわたしを、相沢さんが止めた。
「丁度いいじゃないか。……今日、お前誕生日だったろ?」
「あ……」
 覚えていてくれる人がいたという驚きと、それが相沢さんだったという驚き。
「この券、使ってみてくれよ。……あ。天野のことだから、とんでもないことは言い出さないとは思うが、あまり金のかかることは困るからな! くれぐれも常識の範囲で頼むぞ!」
 その様子があまりにも必死なので、思わずわたしはふき出してしまった。
「……笑うなよ」
「ふふ……すみません」
 でも、この笑いのおかげで、素直に言い出すことができた気がする。
「……ひとつだけお願い、聞いてもらえますか?」
「ああ」
「じゃあ、ちょっとだけ百花屋に、お付き合いしていただけますか……?」

美汐さんお誕生日おめでとう

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投稿者 文月そら : 23:53 | コメント (2) | トラックバック

2006年12月 1日

[雑記]KID倒産KID倒産

な、なにィ!!

キッド:負債額約5億3000万円、自己破産申請へ(まんたんウェブ)

「Ever17」も「Never7」もいつかやろうと思っているうちにメーカー自体がなくなってしまうとは。

KIDといえばONEのコンシュマー版「輝く季節へ」の伝説的移植を思い浮かべる人も多いでしょう。昔はコンシュマー移植といえばNECインチャネかKIDかという感がありました。最近ではどう考えてもエロ無しで移植できそうにないCROSS+CHANNELの果敢な移植が印象に残ってます。

……ああ、そういえば確か、極上生徒会のゲーム版ってKIDだったような。
「すべてがFになる」なんてのもありましたね。森博嗣氏のあの代表作をゲームにするという発想に驚愕したものです。
あとは……ごとPさんの絵に一本釣りされてやった「Close to〜祈りの丘〜」とか。なつかしいなあ。

老舗の堅実なメーカーだっただけに、もったいないです。

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投稿者 文月そら : 23:54 | コメント (2) | トラックバック