2011年6月26日
■[ゲーム/感想]【Steins;Gateネタばれ】鳳凰院凶真という存在
観測範囲内にシュタゲプレイ中の人がいたりしたので、なんとなく完全ネタばれをさけていたのですが、その人もめでたくシュタインズゲートに到達したということで、全開のネタばれをお届けする環境が個人的に整いました。
今回は鳳凰院凶真という存在についてお話しようと思います。
鳳凰院凶真。
祖母を失い、この世界への興味を失ったまゆりを、この世界に引き戻すために、二人の間にあったファンタジーを具現化した存在。
まゆりを『人質』とし、世界を自分の都合で振り回す、天才マッドサイエンティスト。
自分よりも強く、自信にあふれ、常に夢を語る道化。
元々鳳凰院凶真というのは、彼と、彼の仲間を守るためのトリックスターとして生まれたのです。
でも、そのまゆりが収束する死の運命から逃れられないとなった時、鳳凰院凶真の幻想は全くの無力でした。結局彼自身は平凡な大学生でしかなかったからです。
世界を振り回すことなぞできない。
いや、たまたまできたDメールで振り回すことはできても、仲間を守ることなんてちっともできない。
まゆりを助けることもできない。
それどころか鈴羽の、フェイリスの、るかの願いを、思い出を消し去る羽目にすらなります。
思えばトゥルールート前までの岡部倫太郎の戦いは、ひたすらマイナスをゼロにする戦いでした。
やったことといえば、とにかく送ってしまったDメールを打ち消すことだけ。
そしてようやく戻った『始まりと終わりのプロローグ』には、今度は紅莉栖がいない。
でも、一つだけスタート地点と大きく違うことがありました。
紅莉栖が大切な存在になっていたということです。
もうこれはゼロに戻ったとすら言えない。
むしろ、岡部個人としてはマイナスかもしれない。
それでも、この戦いを『負け』とするわけにはいかない。
そんなことをしては、これまで踏みにじってきた思いを、本当に無にすることになるからです。
だから岡部は、無力さに死にきった鳳凰院凶真を無理やりたきつけ『勝利宣言』をして世界線を移ってきたのです。
まゆりの時は、少なくとも指針がありました。
歪めた過去を正せば、助けられるはずだという。
でも紅莉栖の場合にはそれがない。どうしたらまゆりも紅莉栖も死なせない世界線にいけるのか分からない。
砂漠の真ん中から装備無しで抜け出そうとするようなものです。
できるかもしれない。でもその前に力尽きてしまう可能性のほうが大きい。
それでも一縷の可能性にかけてみたら、他ならぬ自分が紅莉栖を殺す羽目になってしまった。
できるはずがない。
常人にはとてもできない。
……それでも、岡部は結局諦められなかった。
設定資料集によれば、この世界線においても、タイムマシンを完成させたのはダルだという話です。
でも、このミッションに必要なのは、完成したタイムマシンだけではありません。
歴史をどう変えれば世界線を移動できるのか。その確証がなければ全ては無駄です。
岡部は、自分の特性である『リーディングシュタイナー』を研究し、世界線理論を完成に導いたのでしょう。
その証拠は、あの動画Dメールです。
オープニングで受信したときは文字化けしていましたが、携帯の一画面に収まる程度で明らかに動画としては情報量が少ないです。
これは小説版によれば、無数の世界線に32バイトずつ動画を送信し、目的とする世界線の、目的とする時点で再構築するという超技術だそうです。なんだそれ。尋常な話ではありません。
同じく岡部が発明したというダイバージェンスメーターも相当滅茶苦茶な発明だと思いますが、そんなレベルは完全に超越しています。
元々タイムリープマシンの発案は、紅莉栖でもダルでもなく、岡部なわけですし、彼は彼なりに、やはり天才だったのでしょう。
あるいは、執念で天才の領域に到達したのでしょう。
ただ、牧瀬紅莉栖を助けるために。
自分の仲間一人を助けるために、世界中を振り回すマッドサイエンティスト。
彼は本当に鳳凰院凶真になったのです。
恐らくは、岡部倫太郎を殺して。
まず間違いなく、未来の鳳凰院凶真はそれなりの地位と名誉を築いているはずです。
大きな研究には、何より地位とお金がいるのです。
そして研究者としては、自分の頭の中に構築した理論。積み重ねた実績。いずれも何よりも大切な財産のはずです。
それら全てを放り出して「意味なぞない」と言い放ち、ただの無力な大学生からやり直す計画。積み上げたそれら全てを、ただ紅莉栖を取り戻すためだけに使う計画。
それが『オペレーションスクルド』。
なんだよそれ。かっこよすぎるだろ。
最後の世界改変とともに消え去ったヒーロー。
自らは決して紅莉栖と再会できない彼のことを、覚えていなければならないと思います。
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投稿者 文月そら : 13:55 | コメント (0) | トラックバック
2011年6月23日
■[アニメ/ゲーム/感想]シュタインズゲート(Steins;Gate)にハマったの記
今アニメで放映中のシュタインズゲートですが、途中まで観てから、ちらほらとネットでネタばれを踏んでしまったりしまして、ネタばれされ切る前にと思い、原作ゲームをプレイしました。ちなみにPC版。
中盤以降、展開が加速してからはあっという間に引き込まれ、トゥルーエンドを迎えてからは毎日シュタゲのことを考えています。
しかし個人史としても、ドラマCDまで買ってしまったのは実にkanon以来であり、キャラソンなんてkanonですら手を出さなかったであろう領域であり(kanonにキャラソンはないけど)、結構すごいハマり様であるといえます。
何がそんなに気に入ったかという話をすると、ほとんど全部ネタばれになってしまうんですが、今日はそれほど大きなネタばれにならない範囲でお話しようかと。完全にネタばれを絶ちたい方以外で、お付き合い下さい。
最初にアニメで観ていた時に惹かれたのは、実在の事物をからめた楽しげな物語上のギミックです。
たとえばジョンタイター。
実際の歴史では、2000年に米国のネット掲示板に現れた、2036年からやってきたタイムトラベラーを自称する人物です。
私がこの人物を知ったのは2chのオカルト板でしたが、好事家の間ではそれなりの知名度があります。
ジョンタイターの予言なるものが有名ですが、彼のタイムトラベルの影響によって、彼の知っている歴史とは違う時間の流れになっているそうで、外れても不思議はないと言っている、言い訳が完璧な面白い予言者です。
ただ、彼の言ったことには真実も含まれており、シュタゲのキーアイテムとして出てくるIBM5100の隠し機能というのは、本当にあったことがIBMの技術者によって明かされています。
それからセルン。
物語中ではSERNと表記していますが、実在するのはCERN。
高エネルギー物理学の世界的な研究機関で、欧州原子核研究機構という名前です。
インターネットの基礎技術であるwwwやhttpを生んだところとしても有名で、巨大なドーナツ状の施設を使って、日々素粒子をぶつけて壊したり観測したりしています。
最近では、反物質を16分間閉じ込めることに成功するなど、ついこの間まで概念上の存在でしかなかった『反物質』を実際に研究できるところまで持ってきてしまい、世界中の度肝を抜きました。
あとは理論系ですね。メジャーなシュレディンガーの猫、コペンハーゲン解釈、多世界解釈からはじまって、時間順序保護仮説だの量子テレポートだのマイクロブラックホールだの事象の地平面(シュヴァルツシルト面)だの、カオス理論だのバタフライ効果だの……それから、タイムトラベルに関する既存の11の仮説も一つ一つ解説されます。そして、このゲームのあおり文句である、神をも冒涜する12番目の理論。
というかニトロプラス、デモンベインにクトゥルフネタを絡めてきた時も驚きましたが、こういうマニア垂涎のネタをからめてくるのが上手いですよね。
そして。
これらすべての面白ギミックをすべてブンまわして、文字通り世界を振り回した結末として最後に描かれるのは……いっそシンプルすぎるといってもいいラブストーリ。このギャップが、また、すごくよかった。
こうして書くとちょっと前のセカイ系みたいですけど……違うんですよ。いわゆるセカイ系では終わらない。主人公:岡部倫太郎は先に進むのです。
それにしても、精緻化リハーサルなんて言葉に涙腺を刺激される日がくるとは夢にも思いませんでしたよ(笑
ストーリに触れられないので、未プレイの人にちゃんと伝わるのか不安ですが、今挙がったような単語に興味を引かれるタイプの人には、かなりお勧めできると思います。
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投稿者 文月そら : 01:08 | コメント (0) | トラックバック
