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2007年8月12日
■[ゲーム]リトバス日記3
今回は小毬→葉留佳で、今は鈴の分岐寸前といったところ。
どっちも面白かったです。
ではまた空行、いれておきますね。
小毬ルート
うん。これは良いお話だった。
大好きな兄のことを忘れ続ける小毬。
『兄は死んでいない』『誰も死んだりなんてしない』
これらのルールで世界を強引に捻じ曲げて解釈し、生きていた小毬。
だから、兄の死そのものはもちろん、単に死というものに触れただけでも、彼女の世界認識は矛盾をさらけ出し、砕け散ってしまう。
でも、兄のことは大好きだから、どうしてもその存在を求めてしまう。その矛盾。
考えてみれば、小毬はあんな人懐っこくて毒のない性格(あの超スローテンポにイライラする面はあるにしても(笑))なのに、リトルバスターズのメンバー以外の交友関係というのが、全く描かれてませんでしたね。……過去にはまあ、いろいろあったのでしょう。
彼女に世界を捻じ曲げさせたのは、兄だったけど、いつか、この悲しみを受け止めて欲しいという願いを込めて、卵のことを思い出す童話を残した。
その意志を受け継いだ理樹が、彼女のために、自分の気持ちを童話にして伝える。
ううん。この形が好きだなあ。
そういえば、この話、不思議な力に一切頼ってませんね。それもなんか、素敵な気がする。
ヒトの力で、ヒトを救うことができるという、そういうおとぎばなしだったと思います。
ちょっと残念だったのは、理樹の描いた絵本の具体的な描写が少なかったこと。もうちょっと見たかったなあ。
あと、よく小毬は、例えば恥ずかしいところを見られたときなんかに、
「見なかったことにしよー」
「見られなかったことにしよー」
「……おっけー」
てな具合に、なかったことと定義してスルーしようとする傾向があって、僕はそれをギャグとして笑って読んでいたんだけども、あれって実は伏線だったってことですね。世界をありようを否定する小毬の姿の縮図になってる。
うーむ、やられた。
あと、じいさんいいキャラでした。かわいいじいさん。
葉留佳ルート
僕はこういう、マイペースでひっかきまわすキャラはニガテなんですけど、このシナリオは良かったですよ。
二木佳奈多。うーむ、こいつはホント不器用だねえ。
先にクドルートでルームメイトが佳奈多だったので、決して悪人ではないことは分かってましたが。
「わたしに妹なんかいないわ」と嘯いた某ベスト メリケンサック ドレッサーを思い出しました。
佳奈多の不器用さは彼女以上ですが。
はるかとかなた。
遥か彼方。
しきたりに縛られた三人の親が、こんな因習を越えて遠く羽ばたいて欲しいと願いを込めてつけた名前だったのでしょう。
しかしその二人は、やはりしきたりに縛られて互いを互いに苦しめ続ける存在になってしまっていた。
佳奈多にしてみれば、優秀であり続ける自分というのが、自分が存在できることの前提なわけですから、何かと引っ掻き回してくる葉留佳の存在には、常に苛立ちと苦しみを味わされてきたことでしょう。自分がこの立場を滑り落ちれば、すなわち間引かれるという恐怖があったわけですから。
そして、どちらがどちらの子なのかがはっきりしなかったことが、常に葉留佳のストレスだったわけですが、これは同時に葉留佳の希望でもあり、一族が葉留佳を排除しきれない保険でもあったわけです。だって間引いてしまった後で、遺伝的に実は違った、では、家がつぶれてしまいますから。面子にこだわる連中が、犯罪者の娘の継承を認めるわけがない。
だから、佳奈多も、三人の両親も、あえてそれをはっきりさせようとはしなかった。
あの入れ替わりについてはやりすぎだと思いますが、まあ、多分理樹だって信用ならないということを証明して葉留佳を追い詰めようとしたのでしょうね。また一方で姉として、ほんの数ヶ月で突然葉留佳の味方についた理樹を試したという面もあったのでしょう。
結局怪文書を流したのは誰だったんでしょうね。
まず、佳奈多はありえない。
掲示板でなんか剥がしてる描写ありますよね。理樹に見えないようにポケットにつっこんで。
あれは怪文書だったのだろうと思います。
そもそも、この話題が学校で流れることによって佳奈多に得がない。
無論、葉留佳を追い詰めようとはしていましたが、本編でもあったように、この話題、葉留佳と姉妹であるということがバレるだけで自分も傷だらけになってしまいます。そもそも双子であり、そっくりですからね。
となると、風紀委員の誰か、っていうのが濃厚な気がします。
明らかな私怨であり、彼女らの事情を知っているとなると、やはりある程度身近な人間でしょうしね。
……あ。
……もしかして恭介?
……ありうる。
全然関係ないけど、クジュトラブアの壷でぐぐっても何もでてこなくて驚いたですよ。あんな有名なオーパーツなのにねえ。
ちなみに、検索してくる人もいると思うので申し添えておくと、約2000年前の遺跡から発見された、いわゆる古代電池と呼ばれるヤツです。
http://www.yamaguchi.net/archives/000024.html
これで、鈴以外はひととおり……ってことみたいだけど。
一つ、彼女らには共通点がありますね。
小毬は兄を失った事実を拒否し、己と世界のありようをゆがめることでバランスをとっている。
姉御は自分の感情をどこかに置き忘れて、自分のこととして世界を受け止めることができない。
クドは、尊敬する母の娘、というアイデンティティを失っている。
美魚に至っては自分の存在そのものを否定している。
すなわち、みんな自分と世界を見失っているわけです。
加えて、姉御の言葉「ここは願いの叶う場所」。
……彼女らが集った理由はなんとなく見えてきました。
じゃあ、理樹は? 真人は? 謙吾は? 恭介は?
あと、気になること列挙。
・様々な要因から、この世界は、少なくとも現実世界ではないっぽい。
・恭介と姉御は、ループしていることを認識してるっぽい。
・姉御の帰った世界、というか放送室は、リトバス世界のそれとそっくり。
・理樹の病気の正体は?
・恭介黒幕くさすぎる。
あと、最初恭介は鈴とくっつけようとしているのかと思ってましたが、よく思い返してみると小毬も含めて姉御以外のヒロインとは、むしろ恭介は積極的にくっつけようとしていますね。
うーむ、なんでだろう。
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投稿者 文月そら : 03:44 | コメント (0) | トラックバック