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2007年8月23日

[ゲーム]うみねこのなく頃に終了 うみねこのなく頃に終了

うみねこのなく頃に、クリアしました。
まあ、相変わらずの選択肢なしビジュアルノベル。
今回の舞台はミステリの王道、館モノです。
舞台自体は、不自然なくらい王道です。(笑

各所でキャラデザについて批判が出てますが、これ、ひぐらしの最初よりずっとましになってる気がするんですけど、どうなんでしょうね。
実は表情差分とかもかなり細かく作られていますし、頑張っているなあという印象でした。
……ただ、泣いている絵だけは、ちょっとコミカルすぎた気がしますが。

で、うみねこのなく頃にというタイトルについて。
ひぐらしならともかく、うみねこなんて年中鳴いてるじゃねえかと思ってましたが、なるほど、そういう風に処理してきましたか。ちょっと苦しいかなとも思いますが、納得はしました。

全体の印象としては、面白かったですが、ひぐらしに比べちゃうとパワー不足かなあという気はしています。
今のところは。
化ける期待は持てますので、今後もプレイします。


以下、ネタバレです。


 
 
 
 

ひぐらしについて、最大の批判はこういうものだったと思います。

『ミステリかと思って謎解きに挑んだら、ラノベだった』

ループする世界、そして時を越える魔女の存在。
架空の風土病的奇病の存在。
さらに、実在する(しかも実体化する)オヤシロサマ。

こういう非科学的な存在を包含しているという前提を持っていなかった人にとっては、解決編を経て裏切られたとの印象が拭えなかったかもなあと思います。
……僕は最初からラノベとして読んでいたので楽しめましたが。

さて、今回。
不自然なくらい、魔女の実在が繰り返し唱えられています。
挙句の果てには、恒例のお疲れ様会の席上で、魔女ベアトリーチェ本人が登場し、戦人が魔女を信じないからみんな死んでしまったんだと責め立てます。
そして、全員が信じないと奇跡がおきない、と、ひぐらしのキーワードまで交えてきます。
……こりゃちょっとロコツなミスリードに見えますねえ。

つまり。
最初は事件だけを描写し、ファンタジー的要素を明かしていきながらストーリが進行していったひぐらしの逆。
最初に魔女を提示し、ファンタジーであると見せながら、それを打ち破る方向で進行していくのだと思います。

ただまあ、ちょっとこの見せ球は露骨すぎるので、まだ裏はあるんだろうと思いますが。

ストーリ全体としては、冒頭でも書きましたが、面白いけど、ひぐらしに比べると……というところです。
ひぐらしの場合、何が怖かったって、人間の悪意が怖かったわけです。
さっきまで仲間だと思っていた人間が敵になる。
友達が、突然理解不能の狂気の存在になる。
そういう、彼も我もの異常心理の只中での孤立無援の怖さというのが、一番大きかったと思うんですね。

今回は、魔女の存在が強烈に意識されているせいか、どうもそういう意識に乏しかった感があります。
まあ、登場人物は皆一癖も二癖もあって、善人ぞろいかというと決してそんなことはないんですが、家族の絆的な部分が結構出てくるので、どうしても悪意は外からくるように感じてしまう。
真相はそこにはないような気がしますが、心理的にどうしてもそうなるので、後ろから(味方から)殺られるという恐怖がどうも薄いんですよね。
これによって、先読みをしづらくすることには成功していますが、怖さという面では不利に働いてる気がしますね。

あと、気になったこととしては場面展開についてです。
暗転してからの間が妙に長いのが気になりました。テンポが非常に損なわれています。
思わず裏でテキストファイル開いて、感想メモを書けるくらいの余裕がありましたからね。
PCスペックのせいかなとも思いましたけど、リトバスをノーストレスでプレイできる環境で問題が生じるとも考えづらいです。

……なんか文句ばっかり書いてるような気がしますが、事前の予想よりはずっと面白かったですよ。
キャラも、ひぐらしの焼き直しみたいなのはいませんし、おっさんおばさん連中がいい味をだしているところがまた高評価でした。今回、舞台が学校じゃないですから、重要なんですよね、そこ。

まあ、今回は顔見世というか、事件見世というか、魔女に全く手も足も出ずで終ってしまったわけですが、このお話の真価が問われるのは次作ですね。

キャラは分かった。
それぞれの背景もある程度出てきた。
謎も提示された。

さて、竜騎士07さんはこれらをどう料理してくれるのか。楽しみにしています。

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投稿者 文月そら : 04:44 | コメント (0) | トラックバック