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2011年11月23日
■[ゲーム感想]elonaたのしい
最近、elonaというフリーのローグライクゲームをやっています。
公式ページはこちら。
http://homepage3.nifty.com/rfish/elona_top.html
ローグライクといっても、いわゆる風来のシレン系統じゃなくて、ローグ版ウルティマオンラインみたいなゲームです。
ちなみに、elonaというタイトルですが、別にえろくないです。
もうとにかく自由度が高くて、一応世界の命運をどうたらする系のメインストーリは存在しているんですが、別に全く無視してもいい。
ゲームをはじめるとチュートリアルがあるんですが、これも放置してもいい。
戦士、魔法使い、盗賊などになって冒険をしてもいいし、巻物とか杖とかを作って、店に出して商人をしてもいい。店を持たずに各町の交易品を、価格差を利用して売り買いする行商人になることもできる。
単に観光客としてうろうろしててもいいし、人を殺しまくったり盗みまくって、お尋ね者になってもいい。売春すら可能。
プレイ可能な種族は人間やエルフ系はもちろん、妖精、ゴーレム、果てはかたつむりなど基本種族だけで11種族。職業はおなじみの戦士魔法使いにはじまってピアニストに観光客なんてのもあります。
まあ、空腹、飢え死にの概念があるので食わなければならないし、犯罪者になる覚悟がないなら毎月税金を納めなければならない。
だから必然的にある程度稼ぐ必要は出てくるけれど、それ以外は本当になにをしていてもいいゲームです。
先ほどウルティマオンラインの名前を挙げましたが、要するにああいう、ゲーム世界に住むゲームです。
ただし、オンラインゲームではないので、仲間が待っているからとか、義務があるから、とかいった理由で縛られることもありません。黙々シングルプレーできます。
ただ、決して取っ付き易くはないです。
自由度が高い分、コマンドは多岐にわたりますし、世界観がすごく独特なので、絶対に最初はわけがわかりません。プレイ動画とかを観てからプレイすべきです。
初心者向けおすすめプレイ動画はこれ(ニコニコ動画)。安心のやる夫シリーズ。
でもって攻略Wikiはこれ。
ちなみに、私の使っているキャラは当然のように美汐という名前なんですが、ランダム生成の異名付けでかなり粘って「狐の奇跡」という異名を出せたことに大変満足しています。
……でもこのゲーム、油断するとすぐ異形化してしまうので、首が太くなったとか、目が4つになったとか言われるたびにリセットしてます。正直他の名前にしときゃよかったとも……。
そんなわけでなんか今、美汐さん羽生えちゃってるんですが、それはかわいいので放置してます。
最後に、4gameに古い紹介記事があるので、張っておきますね。
http://www.4gamer.net/games/040/G004096/20080627031/
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2011年6月26日
■[ゲーム感想]【Steins;Gateネタばれ】鳳凰院凶真という存在
観測範囲内にシュタゲプレイ中の人がいたりしたので、なんとなく完全ネタばれをさけていたのですが、その人もめでたくシュタインズゲートに到達したということで、全開のネタばれをお届けする環境が個人的に整いました。
今回は鳳凰院凶真という存在についてお話しようと思います。
鳳凰院凶真。
祖母を失い、この世界への興味を失ったまゆりを、この世界に引き戻すために、二人の間にあったファンタジーを具現化した存在。
まゆりを『人質』とし、世界を自分の都合で振り回す、天才マッドサイエンティスト。
自分よりも強く、自信にあふれ、常に夢を語る道化。
元々鳳凰院凶真というのは、彼と、彼の仲間を守るためのトリックスターとして生まれたのです。
でも、そのまゆりが収束する死の運命から逃れられないとなった時、鳳凰院凶真の幻想は全くの無力でした。結局彼自身は平凡な大学生でしかなかったからです。
世界を振り回すことなぞできない。
いや、たまたまできたDメールで振り回すことはできても、仲間を守ることなんてちっともできない。
まゆりを助けることもできない。
それどころか鈴羽の、フェイリスの、るかの願いを、思い出を消し去る羽目にすらなります。
思えばトゥルールート前までの岡部倫太郎の戦いは、ひたすらマイナスをゼロにする戦いでした。
やったことといえば、とにかく送ってしまったDメールを打ち消すことだけ。
そしてようやく戻った『始まりと終わりのプロローグ』には、今度は紅莉栖がいない。
でも、一つだけスタート地点と大きく違うことがありました。
紅莉栖が大切な存在になっていたということです。
もうこれはゼロに戻ったとすら言えない。
むしろ、岡部個人としてはマイナスかもしれない。
それでも、この戦いを『負け』とするわけにはいかない。
そんなことをしては、これまで踏みにじってきた思いを、本当に無にすることになるからです。
だから岡部は、無力さに死にきった鳳凰院凶真を無理やりたきつけ『勝利宣言』をして世界線を移ってきたのです。
まゆりの時は、少なくとも指針がありました。
歪めた過去を正せば、助けられるはずだという。
でも紅莉栖の場合にはそれがない。どうしたらまゆりも紅莉栖も死なせない世界線にいけるのか分からない。
砂漠の真ん中から装備無しで抜け出そうとするようなものです。
できるかもしれない。でもその前に力尽きてしまう可能性のほうが大きい。
それでも一縷の可能性にかけてみたら、他ならぬ自分が紅莉栖を殺す羽目になってしまった。
できるはずがない。
常人にはとてもできない。
……それでも、岡部は結局諦められなかった。
設定資料集によれば、この世界線においても、タイムマシンを完成させたのはダルだという話です。
でも、このミッションに必要なのは、完成したタイムマシンだけではありません。
歴史をどう変えれば世界線を移動できるのか。その確証がなければ全ては無駄です。
岡部は、自分の特性である『リーディングシュタイナー』を研究し、世界線理論を完成に導いたのでしょう。
その証拠は、あの動画Dメールです。
オープニングで受信したときは文字化けしていましたが、携帯の一画面に収まる程度で明らかに動画としては情報量が少ないです。
これは小説版によれば、無数の世界線に32バイトずつ動画を送信し、目的とする世界線の、目的とする時点で再構築するという超技術だそうです。なんだそれ。尋常な話ではありません。
同じく岡部が発明したというダイバージェンスメーターも相当滅茶苦茶な発明だと思いますが、そんなレベルは完全に超越しています。
元々タイムリープマシンの発案は、紅莉栖でもダルでもなく、岡部なわけですし、彼は彼なりに、やはり天才だったのでしょう。
あるいは、執念で天才の領域に到達したのでしょう。
ただ、牧瀬紅莉栖を助けるために。
自分の仲間一人を助けるために、世界中を振り回すマッドサイエンティスト。
彼は本当に鳳凰院凶真になったのです。
恐らくは、岡部倫太郎を殺して。
まず間違いなく、未来の鳳凰院凶真はそれなりの地位と名誉を築いているはずです。
大きな研究には、何より地位とお金がいるのです。
そして研究者としては、自分の頭の中に構築した理論。積み重ねた実績。いずれも何よりも大切な財産のはずです。
それら全てを放り出して「意味なぞない」と言い放ち、ただの無力な大学生からやり直す計画。積み上げたそれら全てを、ただ紅莉栖を取り戻すためだけに使う計画。
それが『オペレーションスクルド』。
なんだよそれ。かっこよすぎるだろ。
最後の世界改変とともに消え去ったヒーロー。
自らは決して紅莉栖と再会できない彼のことを、覚えていなければならないと思います。
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投稿者 文月そら : 13:55 | コメント (0) | トラックバック
2011年6月23日
■[アニメゲーム感想]シュタインズゲート(Steins;Gate)にハマったの記
今アニメで放映中のシュタインズゲートですが、途中まで観てから、ちらほらとネットでネタばれを踏んでしまったりしまして、ネタばれされ切る前にと思い、原作ゲームをプレイしました。ちなみにPC版。
中盤以降、展開が加速してからはあっという間に引き込まれ、トゥルーエンドを迎えてからは毎日シュタゲのことを考えています。
しかし個人史としても、ドラマCDまで買ってしまったのは実にkanon以来であり、キャラソンなんてkanonですら手を出さなかったであろう領域であり(kanonにキャラソンはないけど)、結構すごいハマり様であるといえます。
何がそんなに気に入ったかという話をすると、ほとんど全部ネタばれになってしまうんですが、今日はそれほど大きなネタばれにならない範囲でお話しようかと。完全にネタばれを絶ちたい方以外で、お付き合い下さい。
最初にアニメで観ていた時に惹かれたのは、実在の事物をからめた楽しげな物語上のギミックです。
たとえばジョンタイター。
実際の歴史では、2000年に米国のネット掲示板に現れた、2036年からやってきたタイムトラベラーを自称する人物です。
私がこの人物を知ったのは2chのオカルト板でしたが、好事家の間ではそれなりの知名度があります。
ジョンタイターの予言なるものが有名ですが、彼のタイムトラベルの影響によって、彼の知っている歴史とは違う時間の流れになっているそうで、外れても不思議はないと言っている、言い訳が完璧な面白い予言者です。
ただ、彼の言ったことには真実も含まれており、シュタゲのキーアイテムとして出てくるIBM5100の隠し機能というのは、本当にあったことがIBMの技術者によって明かされています。
それからセルン。
物語中ではSERNと表記していますが、実在するのはCERN。
高エネルギー物理学の世界的な研究機関で、欧州原子核研究機構という名前です。
インターネットの基礎技術であるwwwやhttpを生んだところとしても有名で、巨大なドーナツ状の施設を使って、日々素粒子をぶつけて壊したり観測したりしています。
最近では、反物質を16分間閉じ込めることに成功するなど、ついこの間まで概念上の存在でしかなかった『反物質』を実際に研究できるところまで持ってきてしまい、世界中の度肝を抜きました。
あとは理論系ですね。メジャーなシュレディンガーの猫、コペンハーゲン解釈、多世界解釈からはじまって、時間順序保護仮説だの量子テレポートだのマイクロブラックホールだの事象の地平面(シュヴァルツシルト面)だの、カオス理論だのバタフライ効果だの……それから、タイムトラベルに関する既存の11の仮説も一つ一つ解説されます。そして、このゲームのあおり文句である、神をも冒涜する12番目の理論。
というかニトロプラス、デモンベインにクトゥルフネタを絡めてきた時も驚きましたが、こういうマニア垂涎のネタをからめてくるのが上手いですよね。
そして。
これらすべての面白ギミックをすべてブンまわして、文字通り世界を振り回した結末として最後に描かれるのは……いっそシンプルすぎるといってもいいラブストーリ。このギャップが、また、すごくよかった。
こうして書くとちょっと前のセカイ系みたいですけど……違うんですよ。いわゆるセカイ系では終わらない。主人公:岡部倫太郎は先に進むのです。
それにしても、精緻化リハーサルなんて言葉に涙腺を刺激される日がくるとは夢にも思いませんでしたよ(笑
ストーリに触れられないので、未プレイの人にちゃんと伝わるのか不安ですが、今挙がったような単語に興味を引かれるタイプの人には、かなりお勧めできると思います。
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投稿者 文月そら : 01:08 | コメント (0) | トラックバック
2011年2月 1日
■[ゲーム感想]うみねこのなく頃にとは何だったのか〜Ep8プレイ後の個人的総括〜
※本エントリはネタバレのみで構成されています。ご注意ください。
『真相なきミステリにして犯人のいるファンタジ』という感じでしたね。
随分と思い切った幕を引いたなあというのが一番大きな感想です。
ミステリの定義をどこに置くのかという話だと思うのですが、フーダニット(犯人は誰だ)という意味では、一応前のエピソードで黒幕が語られたわけですが、結局個々の事件の実行犯は明言されませんでした。ハウダニット(どうやって)ホワイダニット(動機)についても、やはり大枠が語られたのみで、詳細はほのめかされたに留まりました。
つまり真相という意味では、エピソード7で語られた内容にとどまり、エピソード8というのは、幕引きだけに特化した物語であった、と認識しています。これをミステリと呼ぶのか、ファンタジと呼ぶのかは、本当に読者次第なんだろうなと。個人的にはどちらとも呼べません。うみねこはうみねこだったと思います(笑)
ひぐらしの解答編でもみられた演出なのですが、竜騎士さんは我々観客を舞台にあげるのが好きだなあと、改めて思いました(『惨劇を哂え』などのCD販売時の煽り文句や、罪滅し編の『惨劇を期待していた地獄の観劇者ども』『悪魔どもが喜ぶ脚本』などの台詞)。
それにしても今回は直接的でしたね。『真相究明』が『悪趣味な醜聞暴露』に置き換わって、プレイヤーたる我々の好奇心は、まるで芸能リポーターさながらの醜悪な悪魔となって虚構の六軒島を食い尽くしてしまいました。叩きつけられた皮肉に思わす苦笑してしまいましたけど、第三者であることを許さず、否応なく舞台に巻き込んでいこうとする演出は面白かったです。
私はどちらかというとまともに推理していたほうではなくて、かといってファンタジをまるごと受け入れていたわけでもなく、人間ドラマとしての物語に興味をもって読んでいたので、このエピソード8にはトリックよりも『実際に起こった出来事』と『それをめぐる心情』に期待していました。だからそれが語られなかったのは残念です。
特に紗音であり、嘉音であり、あるいは理御であり、クレル=ヤス=ベアトリーチェであった人物が、本当に愛した人は誰だったのかがすげえ気になっていたので、これがわからなかったのは本当に残念です。
だってこの人、下手すると人格の数だけ恋してやがるので(笑)
どうか譲治のアニキが泣く羽目になっていないことを祈りたい。
(というかこれこそ芸能的な出歯亀興味なのかも……(笑))
それでもざっくり言って、以下のことは正しかったとみていいようです。
・ループ世界ではない
・幻想描写は全て創作
・絵羽生還、縁寿をひきとり、真相を隠したまま死去
・戦人生還
でもって、絵羽生還のエピソード3は、絵羽が匂わせ、縁寿が想像していた真相だったんじゃないですかね。戦人が悪のエヴァと最後まで勇敢に戦い、敗れた。しかし戦人が殺される描写だけはなかった、というあたりからも。
これは単なる想像ですけど、真相を最後まで語らず、口ではどう言っても縁寿に全財産を相続させた絵羽は、多分犯人ではないですね。露悪的に振舞い続け、身を挺して真相を守ったようにも見える絵羽のふるまいから言うと、案外エピソード8の推理ミニゲームの通り、縁寿の肉親、留弗夫一家主犯説が本当なのかもしれません。……ただ、その場合最愛の家族を殺された絵羽が縁寿をひきとって守るかというと疑問なんですが。
あと気になるのは、戦人が脱出の際、ベアトリーチェを伴っていたという描写ですね。
これが本当だとするなら、事件の過程でベアトリーチェの正体を戦人は知り、彼女もベアトリーチェとしての自分を選択して脱出したいうことになり、すると譲治アニキが泣いてしまうんですが……。
一応これでうみねこのなく頃にという物語は幕引きとなったわけですが、こういうメタの上にメタを重ねて、さらにその上から真相を想像させようとする物語が、ここまで沢山の読者を伴って完結したのはすごいことだなあと思います。だって普通こんな複雑なギミックの物語はこんなに読まれませんもの。読むの大変で(笑)
大ヒットを飛ばした作家は、自分の書きたいものを書いて、それを沢山の人に読んでもらえる。それはとてもうらやましいことだなあと、個人的に思いました。
さて、次の夏コミでひぐらしみたいに『礼』は出るのかしら。一応出るような話はあったけれども。出るならまた買おうと思います。
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投稿者 文月そら : 00:57 | コメント (0) | トラックバック
2009年1月23日
■[ゲーム雑記]ミシオ村奮戦記
最近、トラビアン(http://www.travian.jp/)というゲームを始めました。これはdesktop Tower deffenceと同じようなブラウザでやるオンラインゲームの一種で、内容的にはポピュラスとエイジオブエンパイヤとシヴィリゼーションを足して3で割って超簡易版にした、といった感じです。あまり時間もとられないし、手軽で楽しい。
サーバー3、種族ローマンで、ミシオ村を運営しています。
二頭身美汐さんが村長の村です(脳内)。
牧歌的に進めていこうと思ったんですが、この世界、戦争略奪が割とよくある(というか、チュートン族はそれが戦略の中心)らしい、ということを後で知りました。現在のところは、初心者保護期間中なので安全ですが……。
やばい。
ということで、村内に隠し倉庫という施設を建てました。これがあれば、たとえ略奪にあっても一定数の資源を守ることができます。美汐さんはここにせっせとへそくりを溜め込んでいます。
そんな中、チュートリアルで指導してくれていたおっさんが、ごほうびに援軍を送ってくれるというのでわくわくしながら待っていたのですが、来たのはねずみが一匹でした……。まあ、保護期間中なので彼の主要任務は美汐さんのまわりをちょろちょろすることです。
ねずみ一匹に守られたミシオ村の明日はどっちだ。
続く、かも。
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投稿者 文月そら : 19:46 | コメント (0) | トラックバック
2008年8月 9日
■[ゲーム]テイルズ オブ シンフォニア
ご無沙汰でございます。
この間何をしていたかといいますと、実はテイルズをしていました。
それもシンフォニアを。(2003年発売)
もちろん最近Wiiで出た外伝のラタトスクの騎士ではないですよ。それがきっかけではありますが。
でもって先日、ついに最後までクリアしました。
面白かった。
終盤まで進めて止まっていたシリーズ第一作目テイルズ オブ ファンタジア(PS1用)のゲームディスクとメモリカードを押入れから必死で掘り出してきて、再開してしまうくらい面白かった。(実はテイルズ オブ シンフォニアは、ファンタジアのオマージュ的な要素が非常に多く、いろいろ思い出してしまったんですよね)
どこが面白かったかといえば、いろいろ要因はあるんですが、特に群像劇としてよくできていた、という点でしょうか。
このゲーム、本当に沢山のキャラクタが出てくるんですが、それぞれが自分の物語を持っていて、単純に敵だの味方だの、正義だの悪だのとくくれないんですよね。
敵側に立っていたキャラでも、状況によっては協力することもあるし、その逆もまたある。
基本的に主人公ロイドとその仲間たちは、RPGのご多聞に漏れず、世界を救うために戦っているんですが、この旅すらも実は必ずしも善であるとはいえない。
もしかすると今後プレイされる方もおられるかもしれないので詳しい話は差し控えますが、要するに何か変化を起こせば、必ず損害をこうむる者がいるわけです。また、誰もやったことがない変化を起こしてしまうと、影響が計算できないため、とんでもない結果を招いてしまうこともある。そうして招いてしまった結果への後悔や、それをふまえてこれから選ばなければならない選択への苦悩。世界を変えるなら他のRPGでも当然あるべきそうした葛藤が、きちんと描かれている点に非常に好感を持ちました。
物語はキャラクタたちの明るく善良な性格もあって基本的に明るい筆致で描かれているのですが、持っているテーマは、実は結構重いです。民衆をコントロールする技術としての宗教の恐ろしさ、人種差別、人体実験、復讐の連鎖、などなど。
海外でアンケートとると、三大RPGとして、ドラクエ、FFとならんでテイルズシリーズが入るんだそうで、なんとなく納得しました。
……まあ、私が個人的に一番心を動かされた部分がプレセアの可愛さであるというオチがついてしまうあたりアレですが、かわいいんだから仕方がない。称号「おしゃま」でゴスロリ着て大斧ぶん回して戦うプレセアは最強でした。夏はプレセアの本を探そう!
あと、お客様の中にどなたか原型師様がいらっしゃいましたら、是非プレセアのフィギュアを出してください。買いに行きます。
ファンタジアは2人フィギュア化しているけど、シンフォニアはワンコインフィギュアを除いて、まだ誰もフィギュアになってないんですよねえ……。ちなみにワンコインのほうは当然先日確保済みです。
最新作ヴェスペリアも非常に面白そうでやりたいんだけど、360持ってない……。ということで移植待ちです。PSPならそのうち出るんじゃないかしらんと期待してます。
んで次は……ようやく先日リトバスエクスタシーを手に入れたので、そっちをやろうかしら。
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2007年8月23日
■[ゲーム]うみねこのなく頃に終了
うみねこのなく頃に、クリアしました。
まあ、相変わらずの選択肢なしビジュアルノベル。
今回の舞台はミステリの王道、館モノです。
舞台自体は、不自然なくらい王道です。(笑
各所でキャラデザについて批判が出てますが、これ、ひぐらしの最初よりずっとましになってる気がするんですけど、どうなんでしょうね。
実は表情差分とかもかなり細かく作られていますし、頑張っているなあという印象でした。
……ただ、泣いている絵だけは、ちょっとコミカルすぎた気がしますが。
で、うみねこのなく頃にというタイトルについて。
ひぐらしならともかく、うみねこなんて年中鳴いてるじゃねえかと思ってましたが、なるほど、そういう風に処理してきましたか。ちょっと苦しいかなとも思いますが、納得はしました。
全体の印象としては、面白かったですが、ひぐらしに比べちゃうとパワー不足かなあという気はしています。
今のところは。
化ける期待は持てますので、今後もプレイします。
以下、ネタバレです。
ひぐらしについて、最大の批判はこういうものだったと思います。
『ミステリかと思って謎解きに挑んだら、ラノベだった』
ループする世界、そして時を越える魔女の存在。
架空の風土病的奇病の存在。
さらに、実在する(しかも実体化する)オヤシロサマ。
こういう非科学的な存在を包含しているという前提を持っていなかった人にとっては、解決編を経て裏切られたとの印象が拭えなかったかもなあと思います。
……僕は最初からラノベとして読んでいたので楽しめましたが。
さて、今回。
不自然なくらい、魔女の実在が繰り返し唱えられています。
挙句の果てには、恒例のお疲れ様会の席上で、魔女ベアトリーチェ本人が登場し、戦人が魔女を信じないからみんな死んでしまったんだと責め立てます。
そして、全員が信じないと奇跡がおきない、と、ひぐらしのキーワードまで交えてきます。
……こりゃちょっとロコツなミスリードに見えますねえ。
つまり。
最初は事件だけを描写し、ファンタジー的要素を明かしていきながらストーリが進行していったひぐらしの逆。
最初に魔女を提示し、ファンタジーであると見せながら、それを打ち破る方向で進行していくのだと思います。
ただまあ、ちょっとこの見せ球は露骨すぎるので、まだ裏はあるんだろうと思いますが。
ストーリ全体としては、冒頭でも書きましたが、面白いけど、ひぐらしに比べると……というところです。
ひぐらしの場合、何が怖かったって、人間の悪意が怖かったわけです。
さっきまで仲間だと思っていた人間が敵になる。
友達が、突然理解不能の狂気の存在になる。
そういう、彼も我もの異常心理の只中での孤立無援の怖さというのが、一番大きかったと思うんですね。
今回は、魔女の存在が強烈に意識されているせいか、どうもそういう意識に乏しかった感があります。
まあ、登場人物は皆一癖も二癖もあって、善人ぞろいかというと決してそんなことはないんですが、家族の絆的な部分が結構出てくるので、どうしても悪意は外からくるように感じてしまう。
真相はそこにはないような気がしますが、心理的にどうしてもそうなるので、後ろから(味方から)殺られるという恐怖がどうも薄いんですよね。
これによって、先読みをしづらくすることには成功していますが、怖さという面では不利に働いてる気がしますね。
あと、気になったこととしては場面展開についてです。
暗転してからの間が妙に長いのが気になりました。テンポが非常に損なわれています。
思わず裏でテキストファイル開いて、感想メモを書けるくらいの余裕がありましたからね。
PCスペックのせいかなとも思いましたけど、リトバスをノーストレスでプレイできる環境で問題が生じるとも考えづらいです。
……なんか文句ばっかり書いてるような気がしますが、事前の予想よりはずっと面白かったですよ。
キャラも、ひぐらしの焼き直しみたいなのはいませんし、おっさんおばさん連中がいい味をだしているところがまた高評価でした。今回、舞台が学校じゃないですから、重要なんですよね、そこ。
まあ、今回は顔見世というか、事件見世というか、魔女に全く手も足も出ずで終ってしまったわけですが、このお話の真価が問われるのは次作ですね。
キャラは分かった。
それぞれの背景もある程度出てきた。
謎も提示された。
さて、竜騎士07さんはこれらをどう料理してくれるのか。楽しみにしています。
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投稿者 文月そら : 04:44 | コメント (0) | トラックバック
2007年8月15日
■[ゲーム]リトバス日記4
リトバス終了〜!
鈴→リトルバスターズで、ついでに日常エンドまでみて、イベント絵はコンプリート。
結論としては、すごく面白かった。
……というか、このゲーム、絶対に最後までやらないといけないゲームですね。
世界の秘密を合わせて改めて個別ルートで起こったことを考えると、解釈がまるっきり全然違ってきてしまう。
具体的には、主犯が誰なのかということ。
なんであそこであんな展開になったのか、ということが、最後までくるとよく分かります。
しかもなんか、リフレインまで完全に終らせタイトル画面が変化してから個別ルートを再プレイすると、前は出てこなかったキャラがからんでくるんですが……。
シナリオはもう全部終ってるのに……一体どこまで凝ってるんだ、このゲーム……。
ではまた空行でございます。
鈴ルートとリフレインは非常に密接に関連しているのであえて分けません。
……まあ、鈴のbadの時、バス事故で生徒が落ち込んでしまった学校云々という話が出た時点で、どうも怪しいとは思ってましたけど、まさか全員巻き込まれているとは思わなかった。
全ては、理樹と鈴のために仕組まれた世界。
事故にあったリトルバスターズのメンバー全員が持ち寄って起こした奇跡だったってことですね。
もう助からないと覚悟して。
二人のためのゆりかごだったんだな。
とっても、こういうの好きです。
ゲーム開始時の青い画面を飛び交う光の玉。
最初8つから、いつの間にか3つまで減ってましたけど、あれは、恭介たち三人と鈴を除く五人のヒロイン。世界の構築にかかわる八人の光だったんですね。
確認してませんが、多分シナリオをクリアするたびに減っていたんでしょう。
まだプレイ直後なのでいろいろまとまりませんが、いくつか、気になっていることをポイント毎に書いてみようかと思います。
■新生リトルバスターズは本当にあったのか?
全てが恭介たちの仕込みだとはっきりしたときに、一番心配していたのがこれでした。
もしかして、新生リトルバスターズは全て幻想だったんじゃあるまいかと。
単に恭介が、理樹と鈴を鍛えるためにリトルバスターズを作り、壊した。
姉御や葉留佳やクドや美魚や小毬は、単に巻き込まれただけ。
そう解釈できるセリフが、いくつかありました。
……それって、あまりにも哀しすぎる。
でもこれは、最後で明確に否定されましたね。
現実に還って来てからも、みんな自然に集まっていましたからね。あの世界での出来事については、あえてあまり話さないとなっているのに、あの世界にしかリトルバスターズがないのなら、集うわけがない。
ていうかそもそも、そんなただのクラスメイトのために、もしかすると命をかけているであろうこの世界の構築、なんてことに手を貸すはずがない。
ここで、ほっとしました。
■というか、どこまでが本当にあったことなのか
新生リトルバスターズが存在するということは、野球はやっていたんだろうと思います。
ただ、試合は負けたんだろうと思います。多分、かなりコテンパンに。コールドだったんじゃないかなと思います。
だから、勝った時に恭介はあんなに狂喜乱舞していたのでしょう。
だから多分、あの試合は、みんなの成長の象徴なのです。
各ヒロインとの出会いも、多分現実をなぞっているんじゃないかと。
出会いというのは人の印象に強烈に関わる要素ですから、これが違っていると大きな矛盾を後に生むことになりかねません。理樹や鈴に世界への違和感を抱かせてはいけませんからね。
つかみは尋常に入って、世界を受け入れてもらってから、このミッションは始まるんだろうと思います。
■個別ルート
クドのあの衝撃のイケニエエンドも、この世界の構築にクド自身が関わっているとなると、話が全然違ってきます。
あれは、恐らくクドの贖罪だったのでしょう。
だから、どうしても「国に帰」らなくてはいけなかった。(帰らなければバッドエンド)
そして、罰されないといけなかった。
そうでないと、知っていながら帰らずに修学旅行に行ってしまった現実と全く同じ過ちを犯してしまうから。
……などと、うだうだ書くつもりだったのですが、もっと素晴らしいまとめを書いておられる方がいらしたので、そちらに譲ります。
こちらでは、僕にはまるで意味の分かっていなかった、「あの物体」についても解明しておられます。
でもってこの方、美魚や姉御についても、非常に興味深い考察をされてますので、是非見に行って下さい。
美魚についてなら、美魚がおそらく、他のヒロインよりも明確にこの世界のルールを理解していたことの意味と、入れ替わりの真意。
姉御についてなら、何故6/20なのか、あの最後の世界はなんなのか。
そういったことに興味がおありの方にオススメです。
■『違うクラス』という大問題
ここではたと気がつきます。
修学旅行バスが事故にあったということは、事故車両に乗り合わせているのは、同じクラスの人間だけです。
リトルバスターズのメンバーでクラスが同じなのは理樹・謙吾・真人・クド・美魚・小毬・唯湖。
恭介はバスに潜んでいるであろう旨のセリフがありましたし、葉留佳は確か、個別シナリオの中でも、修学旅行では理樹のクラスのバスに乗りたいと言っていたので、実際にも乗っていたのでしょう。
で、問題になるのが佳奈多とさささです。
彼女らは事故に巻き込まれている必然性がない。
なら、いわばNPC(ノンプレイヤーキャラクター 要するに中の人なぞいない状態)だという解釈でいいのか?
……だとすると、多分葉留佳の願いは叶いません。自分の空想の産物の姉と和解したって意味がないですから。
しかも、作中の言動からすると、どうも葉留佳、美魚と同じくらいにこのループについて自覚的であるようなのです。
なら、なおさらそんな茶番を演ずる意味がない。
更に言うなら、現実に帰還してから、かなり早い段階で葉留佳と佳奈多はじつにあっさり和解しています。
どう考えても、本人だったと考えるべきでしょう。
さささについては、NPCだと寂しいですね。
せっかく鈴が、ライバルからほのかな友情までを育てた相手に中身がないなんて、ちょっと……。
そこで、こういう説をとりたいと思います。
『彼女らはゲストとして呼ばれていた』
佳奈多は、この事故に心を痛めているはずですし、さささも鈴のことを少なくとも意識はしていたはずですから、動揺しているはずです。
もしかすると、無事を祈っていたかもしれません。
これは恭介の言葉ですが、ループが元に戻るたびに現実世界での時間も巻き戻るような発言がありましたよね。
だからオイル漏れの現場を目指して何度這いずっていっても、結局元に戻されてしまうと。
つまり、事故がおこって、世界が作られた瞬間で、時間は止まっているのだろうと思います。
その瞬間、祈りをささげていた佳奈多やさささがあっちの世界にひっぱられたとしても、現実世界では一瞬のことでしょうから、特に支障はないだろうと思います。
じゃあバイオ田中とマッド鈴木の中の人についてはどうなんだって?
……そんなんどうでもいいです(笑
■未確認情報
どうも、クリアした順に中の人が消えていると考えられる節があります。つまりNPC化している?
例えば、葉留佳シナリオで佳奈多に対してクドが助言するというシーンがあるらしいのですが、僕は見ていません。確か姉御が出てきたような。
なんか姉御を先にクリアするとそうなるという話もあるんですが、未確認。
他にも、葉留佳をクドよりも先にクリアすると、クドルートで葉留佳だか佳奈多だかが助言しにこなくなるとか、いろいろあるみたいですよ。
まあ、光が減っていくことを考えると当たり前かもしれませんが、細かい演出ですね。
まま、総括しますと面白かったですよホント。
SS、書きますよ。ええ。
早速着手する!(えー)
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